連載【経審の勘どころ】
〜〜〜(その30・最終回) 経審評点の重要性〜〜〜
連載の締めくくりとして、現在の経審評点の重要性についてお話いたします。
 
いうまでもなく、経審の役割は「指名のランク分けのための客観点の獲得」にあります。その意味からすれば、もし経審の評点が落ちても、指名のランクが変わらない程度なら悪影響はありませんし、発注者は2年に一度しかランク分けをしないため、ランク分けが行われない年については、多少経審の評点が悪くても構わない(極論すれば2年に1度ずつ良い決算にすれば良い)ことになります。
 
しかし現実には、経審評点は、単に発注者の指名ランク分けに使われるだけでなく、様々な面で活用されています。
数年前に経審の結果通知書の内容がインターネットで公表され、誰でも無料で経審受診企業の評価内容を知ることができるようになったことをきっかけとして、次のような面での活用が見られる様になっています。
  ・週刊誌等の建設業関連記事で、経審評点の一覧表も掲載される。
  ・一部の損害保険では、経審評点の良い企業に割引制度を設けている。
  ・金融機関が融資等の審査の資料とする。
  ・リース業者が、リースの可否やリース料の算定の審査の資料とする。
  ・資材業者等の取引先が、与信管理の資料とする。
 
これらは、経審評点が公共工事の指名ランクを超えて、いわば、建設企業の一般的な格付けとなりつつあることを示しています。この傾向は、今後ますます高まることでしょう。
そして、さらにシビアな点は、このような場合では、評点の数字が全てとなるということです。
指名願いのランク分けでは、たとえ経審の評点が悪くても、過去の施工実績等が良ければそれなりにランクを維持できますし、地元の加算点等もあります。
しかし、それ以外で格付けとして利用される場合は、経審の結果しか見られません。
しかも多くの場合、経審の素人が見るわけですから、総合得点やY評点の数字だけを見て他社との比較を行います。
 
つまり、経審の評点が悪いと、公共工事の指名だけでなく、民間工事、融資、資材調達などの企業活動全体の足かせとなってしまいます。反対に経審の評点が良いと、それをアピールして多少なりとも取引を有利に導くことができるかもしれません。
 
このような状況は、企業評価の本来のあり方とは違っていると思われますが、現実に対処するには、とにかく経審の評点を上げることが、経営戦略上も重要です。
建設企業の中には、まだ、担当者レベルで経審対策を行っている例が多いようですが、このような経審評点の重要性を考えると、経営トップがもっと気を配る必要があるでしょう。
 
e工事ネットの「経審フォーラム」会議室では、経審全般に関するご質問を受け付けています。


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