【経審の勘どころ】
〜〜〜(その24)「労務外注費」って何?〜〜〜
経審で提出する財務諸表の中の完成工事原価報告書には、労務費の下の行に「(うち労務外注費)という表示があります。これは、平成11年の改正の際に追加された項目なのですが、この「労務外注費」というのはどういうものなのでしょうか。経審との関わりを含めてまとめてみました。
 
(1)労務外注費の定義
  労務外注費は、「労務費の内、工種・工程別の工事の完成を約する契約で、その大部分が労務費であるもの。」と定義されます(なお「大部分」というのが具体的に何%かという規定はありませんので、各企業の判断に任せられています)。
  建設工事を外注する際には、元請企業が必要な資材等を全部提供し、外注先は実質的に労務を提供するだけ、という場合がしばしばあります。このような材料支給の外注契約に対する支出は、形式的には外注でも実質的には労務に対する支出であることから、建設業会計では、外注費として処理しても、労務費としても処理してもどちらでも良いことになっています。
 
(2)労務費VS外注費
  労務外注費を外注費として処理(実務ではこちらが多いと思われます)しても労務費として処理しても、利益の額には変わりはありません。
  しかし、財務分析では外注費と労務費では扱いが異なる場合があります。その代表的なものが「付加価値」の計算です。一般に付加価値とは、売上高のうち自社が価値を高めた金額を意味し、建設業では完成工事高から材料費と外注費を差し引いて求めます。
  この場合は、外注費で処理するか労務費で処理するかで違いが出てきます。
 
(3)経審での取り扱い
  経審では、Y評点に関係する指標の一つである「付加価値対固定資産比率」で付加価値を取り扱いますが、労務外注費の処理をどちらにするかで評点が異なるのでは不公平になってしまいます。
  そこで、労務外注費を労務費として処理した場合は、完成工事原価報告書にその内訳を記載させ、付加価値を計算する際に完成工事高から差し引くことになっています。
  (経審での付加価値算定式)
   ※付加価値= 売上高−材料費−外注費−労務外注費−当期商品仕入高(兼業分)
  その結果、経審との関係では、労務外注費をどちらで処理しても有利不利はない仕組みになっています。
 
e工事ネットの「経審フォーラム」会議室では、経審全般に関するご質問を受け付けています。
<発行>
 あさかわシステムズ株式会社
http://www.a-sk.co.jp/
 
<編著>
 荒牧裕一(経営コンサルタント)
http://www.aramaki.com/


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