【経審の勘どころ】
〜〜〜(その19)各Y評点比率のポイント(3)〜〜〜

Yの12比率のそれぞれのポイントの解説の第3回として、安定性の3比率を取り上げます。
 
7) 自己資本比率(大きい方が良い)
  総資本に占める自己資本の割合を示す比率で、平成11年の改正以前から経審に取り入れられていた比率です。自己資本を増加させるか、総資本を抑えることがポイントとなります。
 
具体的な対策は、次のとおりです。
(自己資本を増加させるポイント)
  ・増資の実施
  ・利益率の向上
  ・利益処分による社外流出(株主配当金、役員賞与金)の抑制
  ・税効果会計の導入による差益(法人税等調整額)の計上
  ・時価会計の導入による評価益の計上
(総資本を抑えるポイント)
  ・減価償却の実施
  ・不良債権・資産の早期償却
  ・裏書譲渡手形の活用(新たに自社の支払手形を発行するよりも有利)
  ・預金の取り崩しによる負債返済
  ・決算期の見直し(完成工事未収入金や未成工事支出金の残高の少ない月が有利)
 
なおこの比率が1月良くなると、Y評点は1.504点(P評点は0.30点)改善します。
 
8) 有利子負債月商倍率(小さい方が良い)
  月商に対する有利子負債の割合を示し、この有利子負債が少ない方が財務安定性が高いと判断されるため、この金額を抑えることがポイントです。
  ※有利子負債= 短期借入金+長期借入金+社債等+受取手形割引高
   (なお、無利息の借入金も含まれます。)
具体的な対策は次のとおりです。
  ・新たな借入金の抑制
  ・遊休資産の売却代金や預金の取り崩しによる借入金の返済
  ・銀行との付き合いによる借入金の抑制
  ・裏書譲渡手形の活用(割引手形残高と違い有利子負債に含まれないため)
  ・決算期の見直し(有利子負債の残高の少ない月が有利)
 
なおこの比率が1月良くなると、Y評点は24.998点(P評点は5.00点)改善します。
 
9) 純支払利息比率(小さい方が良い)
  売上高に対する純支払利息(支払利息−受取利息配当金)の割合を示しますが、この純支払利息勘定の残高を抑えることがポイントです。
 
具体的な対策は次のとおりです。
  ・有利子負債の抑制(「8)有利子負債月商倍率」のポイントを参照)
  ・より低金利での借入
  ・裏書譲渡手形の活用(手形割引料の抑制に効果あり)
  ・支払利息のうち次期以降の期間の前払分は「前払利息」勘定で処理
  ・受取利息配当金の増加
 
なおこの比率が1%良くなると、Y評点は57.282点(P評点は11.46点)改善します。
 
(次回に続く)
 
e工事ネットの「経審フォーラム」会議室では、経審全般に関するご質問を受け付けています。
<発行>
 あさかわシステムズ株式会社
http://www.a-sk.co.jp/
 
<編著>
 荒牧裕一(経営コンサルタント)
http://www.aramaki.com/


メールマガジンバックナンバー