経審の勘どころ

〜〜〜(その7)増資の際、資本金の増加を抑える方法〜〜〜

 前回の「資本金の増加にご注意」を受けて、資本金の増加を少しでも抑える方法についてついて解説します。

 これは、例えば1,000万円の増資を計画した場合に、半分の500万円だけ資本金に入れて残りの半分は資本準備金に入れる方法です。
 資本準備金も自己資本を構成する勘定科目の一つですから、こうすれば、経審で必要な自己資本はフルに増加させ、税法等で不利になる資本金の増加は最小限に抑えることができます。

 この方法のポイントは次のとおりです。

(1)新株の発行価額を、額面より高い金額に設定する。
 「こんなことが出来るの?」と思われるかも知れませんが、新株の発行価額は額面より高ければ良いものとされています。
 例えば、NTT株などは1株100万円以上で発行されましたが、その額面は5万円でした。

(2)額面金額合計か発行価額の2分の1は資本金に入れる。
 大昔は、新株の発行価額の全額を資本金に入れなければいけませんでしたが、昭和56年の商法改正によって、全額を入れる必要はなく、1)額面金額、2)発行価額の2分の1、のうちどちらか大きい金額を資本金に入れれば良くなりました。
 したがって、
  ・ 額面5万円の株式を7万円で発行した場合・・・5万円
  ・ 額面5万円の株式を10万円で発行した場合・・・5万円
  ・ 額面5万円の株式を20万円で発行した場合・・・10万円
 を資本金に入れれば良いことになります。
(3)資本金に組み入れなかった金額は「株式払込剰余金」とする。
 (2)で資本金に組み入れなかった金額については、株式払込剰余金(資本準備金の一種)という勘定科目で処理します。
 例えば、10,000千円の増資を行い、その半分だけを資本金とした場合の仕訳は、次のとおりとなります。

(借)新株式払込金  10,000  (貸)   資本金      5,000
    株式払込剰余金  5,000

(4)司法書士さんに頼む
 この方法で増資をする際には特に面倒な手続きはありませんが、増資の条件を決める際(正式には取締役会決議の際)に「新株の発行価額中資本に組み入れざる額」を明記し、後日それに従って登記を行う必要がありますので、その点司法書士の方と良く相談される必要があります。
 また、商法上は額面以上の発行価額は無制限に許されますが、会社の資産状況等を無視して高い価額で新株を発行すると出資者から会社への贈与とみなされる可能性がありますので、贈与税がかからぬよう、あらかじめ税理士の方にも確認をしておいてください。

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<発行>
 あさかわシステムズ株式会社
http://www.a-sk.co.jp/
 
<編著>
 荒牧裕一(経営コンサルタント)
http://www.aramaki.com/


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