経審の勘どころ

〜〜〜(その4)増資のポイント(1)〜〜〜

 経審の評点アップ対策を考えるとき、真っ先に頭に浮かぶのが「増資」だと思われます。事実、多くの建設業者の方が、税理士や経営コンサルタントの方に「○○万円増資すれば○点アップしますよ」とアドバイスされて増資を行っているようです。

 確かに、増資は経審のX2評点とY評点の評点アップに直接的に寄与する有効な方法の一つです。しかしこの増資も、安易に行うことはお勧めできません。

 そこで、増資について、様々な面から検討してみましょう。

(1)直接的なプラス面
 増資を行った場合、X2の自己資本額数値と、Yの「自己資本比率」「自己資本対固定資産比率」「長期固定適合比率」がプラスになります。
 例えば次のような中小建設業のモデルで考えてみましょう。
完成工事高10億円
経常利益1,500万円
総資本5億円
自己資本1億円
固定資産 1.5億円
固定負債1億円

 この企業で仮に5,000万円の増資をすると、次のとおりアップします。
  X2の自己資本額数値は、100から150へアップ
  Yの「自己資本比率」は、20%から約27.3%へアップ
  「自己資本対固定資産比率」は、約66.7%から100%へアップ
  「長期固定適合比率」は、約133.3%から約166.6%へアップ

(2)直接的なマイナス面
 反対に、増資を行うと総資本が増えるため、Yの「総資本経常利益率」がマイナスになります。
 (1)の例では、3%から約2.7%にダウンします。

(3)P評点への直接的な影響
 (1)(2)の効果をP評点に換算すると、この企業の5,000円増資による効果は、11点となります。

 「あれ?思ったよりも少ないな。」と感じた方も多いと思います。
 例えば、多くの中小企業では1級技術者が1〜2人増えるとP評点が12〜13点アップします。また、退職一時金制度や企業年金制度に入っていない企業であればこの2つに加入することでP評点が15点アップします。

 それに比べると、5,000万円も増資しながら11点しかアップしないのは、あまり効率が良いとは言えません。

(4)間接的な効果
 実は増資の効果は、(3)で述べた直接的なものよりも間接的なものの方が、大きいのです。
 これについては、次回に改めて検討したいと思います。
(つづく)


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<編著>
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