経審の勘どころ

〜〜〜(その3)激変緩和措置の選択は慎重に〜〜〜

 平成10年度の改正で導入された激変緩和措置は、次の3項目について、申請者が選択申請できる制度です。

1.完成工事高(X1)
 直前2年の年間平均完成工事高と直前3年の年間平均完成工事高のうち、有利な方を選択できます。

2.建設業に従事する職員の数(X2)、技術職員数(Z)
 審査基準日現在の職員と直前2年の各営業年度末の平均職員のうち、有利な方を選択できます。

3.自己資本額(X2)
 審査基準日現在の自己資本額と直前2年の各営業年度末の平均自己資本額のうち、有利な方を選択できます。

 これらは一見、単純に数値の高い方を選べば良いと思われがちです。しかし、内容を検討してみると結構複雑な制度であり、「数値の高い方を選んだらかえって点数が低くなった。」ということもあり得ます。
 今回はこの激変緩和措置の選択の際の留意点をまとめてみました。

(1)優先させる業種を考える。
 完成工事高や技術職員数の選択にあたっては、全ての申請業種で統一しなければなりません。したがって、優先させる業種を考えておく必要があります。

(2)完成工事高については、連動する項目に注意する。
 次の3項目については、X1での完成工事高の選択基準に合わせた金額が用いられます。

1)X2の算式で用いる年間平均完成工事高
2)工事の安全成績(W2)の評価テーブルの年間平均完成工事高
3)建設業経理事務士等数(W4)の評価テーブルの年間平均完成工事高

 問題なのは、これら3項目はすべて「完成工事が高いと不利になる」傾向がある項目だということです。したがって、完成工事高の選択にあたっては、これらの項目への影響も考慮しなければなりません。

 結論的には、
1)X1の評価テーブを見て、上のテーブルにアップする場合は完成工事高の高い方を選ぶ。
2)そうでない場合は、完成工事高の低い方を選ぶ。
 というのが有利な選択です。

(3)技術職員数の端数にも注意する。
 技術職員数の選択は、申請書の1枚目の用紙に記入される「建設業に従事する職員の数」での選択基準に合わせて、直近または2年平均の数値が取られます。
 この際、2年平均では0.5人の端数が生じることがありますが、この取り扱いは、
1)建設業に従事する職員の数(X2)では、切り捨て。
2)技術職員数(Z)では、そのまま0.5人として計算。
 と異なっています。
 X2での職員数については申請者が自分で切り捨てた人数を記入するため、Zでも切り捨てになると思われがちですが、そうではありませんのでご注意下さい。

(4)自己資本額については、単純に数値の高い方を選択する。
 自己資本については他の項目のような留意点はなく、単純に数値の高い方を選択すれば有利です。

(5)信頼できるシミュレーションソフトを使用する。
 経審対策の参考に、評点のシミュレーションソフトを使用されている方も多いと思います。これらのソフトは各社から出ていますが、中には上記(2)の連動や(3)の端数処理等への対応が不完全な製品も散見されます。
 したがって、シミュレーションソフトをご購入の際は、「経審マスター」等信頼のおける製品を選ばれることをお勧めします。


「経審マスター」については、こちらをご覧下さい。
http://www.asknet.ne.jp/contents/category01/idx02/keishin/index.htm
 
ASKNETの「経審フォーラム」会議室では、経審全般に関するご質問を受け付けています。
http://www.asknet.ne.jp/contents/category02/idx02/idx01/cgi-bin/index.cgi

 

<発行>
 あさかわシステムズ株式会社
http://www.a-sk.co.jp/
 
<編著>
 荒牧裕一(経営コンサルタント)
http://www.aramaki.com/


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