社債の買入償還の問題の対策(1級)


 1級財務諸表の受験生が頭を悩ませる問題に、社債の買入償還の問題があります。
 本来は、2級の範囲ですが(そのため1級の参考書の中には、解説がされていないものもあります)、難しさは超1級レベルです。
 しかもこの問題は、精算表がらみで出される場合だけでも2年に1回は出題され、精算表以外で出される場合も含めると、3年に2回ぐらいは出題されるという。要注意事項です。
 この「1級財務諸表の天王山」ともいえる問題の解き方について、過去問題を例に解説いたしましょう。


<問題文(平成8年度)>
 社債は、平成6年4月1日に社債3,400,000口を発行したもので、発行価額は@\95で償還期限は5年、利率は年3%で利払日は9月30日と3月31日である。
 平成8年3月31日に同社債の1/5(680,000口)を@\96で抽選により繰上償還したが、3月31日に次のように処理しただけである。

   (借)社 債   65,280,000 (貸)当座預金  65,280,000

 社債全体に関して、当期中の社債発行差金の整理は行われていない。
※精算表の残高
社  債
274,720(貸方残)
社債発行差金
13,600(借方残)


 【解 答】(単位:千円)
(借)社 債
2,720
(貸)社債発行差金
5,440
   社債発行差金償却
3,400
   社債償還損益
680


 【解答の手順】(単位:千円)
(1)
社債をいくら減額すべきか求める・・・これは簡単ですね。
 68,000−65,280=2,720

(2)
社債償還損益を求める
償還時点(平成8年3月31日)の決算期末の社債の正味価値は、@\97

   6年4月  7年4月  8年4月  9年4月  10年4月  11年4月
    +−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+
    @\95   @\96   @\97   @\98   @\99   @\100

@\97のものを@\96で買い入れたのであるから、差引@\1の償還『益』が発生。
したがって、社債償還損益の金額は、
68,000×0.01=680(益なので、貸方に発生する)

(3−A)社債発行差金の、期末時点の残高を求める。
社債の残高(額面)は、340,000×4/5=272,000
期末時点の正味価値は、(2)の表より、@\97
したがって、社債発行差金の残高は、272,000×(1-0.97)=8,160

(3−B)社債発行差金の減額すべき金額を求める。
減額すべき金額=精算表の社債発行差金残高−期末時点の残高
          = 13,600 − 8,160 = 5,440

(4)
社債発行差金償却の金額を求める。
(1)(2)(3−B)より、次のとおり、他の部分の金額が判る。
(借)社 債
2,720
(貸)社債発行差金
5,440
   社債発行差金償却
?
   社債償還損益
680
借方、貸方の合計から計算すると、社債発行差金償却の金額は、
    (5,440+680)− 2,720 = 3,400

 以上の様に、社債の買入償還の問題を解くには、
@社債償還損益
A社債発行差金
B社債発行差金償却
の3つの金額を求めることが鍵となります。その内Bについては、借方、貸方の合計からの計算から出せますので、残りの@Aを導き出す方法を、しっかりマスターして下さい。

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