文章(論述)問題の解き方(1級)


 1級試験では、3科目とも[第1問]は、文章による記述を行う問題が出題され、20点の配点がなされています。
 一般に文章問題を苦手とする受験生は多いと思われますが、建設業経理事務士検定の合格ラインは70点であるため、もし、この文章問題が0点であったら、他の問題で9割近く正解しなければ合格することができなくなってしまいます。
 実は、原価計算ついては、他の問題で9割の得点を取ることは可能です。しかし残りの、財務諸表や財務分析に関しては、文章問題以外の問題もかなり難しいことから、他の部分で9割の得点を獲得することはまず不可能だと考えて下さい。したがって、これら2科目の受験生は、何が何でも、この文章問題で10点程度は得点する必要があると思われます。
 そこで、実践している文章問題の解答テクニックをご披露しましょう。


<文章問題解答の留意点>
 文章問題を解く際の留意点をまとめると、次のとおりです。
(1)
解答時間の目安は30分以内です。余裕はあまりありません。
(2)
【重要】問題文中の言葉を再利用すると楽です。
 「○○に関する△△について述べよ」という問題であれば、解答は、「○○に関する△△については、・・・である」というパターンで解答します。このように問題文中の言葉を再利用しながら解答すると、文章を作るのが楽になります。
(3)
文字は多少乱雑でもOKです。でも誤字脱字には注意しましょう。
(4)
文章の初めは1マス空けます。(強制ではありません)
(5)
1〜2桁程度の数字は、1字1マスで記入します。ただし、桁数が多い場合は、2〜3字で1マスにします。
(6)
句読点が行頭にきても、そのまま書いてOKです。

<文章問題解答の手順>
 文章問題の手順をまとめると、次のとおりです。
(1)
問題文が何を聞いているのか確認します。
(2)
(1)に対応する最小限のキーワードを思い出します。
(3)
(1)(2)を踏まえて、解答の下書を書いてみます。
(4)
字数が足りなければ、(2)以外で問題文に関連するキーワードを思い出します。
(5)
(4)を織り込んで文字数を膨らませます。
(6)
言回しを修正して文字数を調節します。
(7)
誤字・脱字のチェックをしながら清書をします。

<具体的解答例>
 以上の手順を、実際の財務諸表の問題を例に具体的に説明すると、次のとおりです。

工事収益の計上における工事進行基準に関して、
 1)その意義
 2)工事完成基準との相違点
 3)その理論的根拠
を述べなさい。(260字以内)

【解答例】
(1)
問題文が何を聞いているのか確認します。
1)
・・・工事進行基準の意義
なお、「意義」とは「定義」とほぼ同じ意味です。
2)
・・・工事完成基準との相違点
3)
・・・工事進行基準の理論的根拠

(2)
(1)に対応する最小限のキーワードを思い出します。
1)
・・・決算期末、工事進行程度、当期の損益計算
2)
・・・長期請負工事、すべての期間、見積
3)
・・・収益の期間配分、収益額が確定、工事代金の前受

(3)
(1)(2)を踏まえて、解答の下書を書いてみます。
  (できる限り問題文中の言葉を再利用すること)
1)
工事収益の計上における工事進行基準の意義は、決算期末における工事進行程度に応じて、工事収益を当期の損益計算に計上する基準であるといえる。
2)
工事完成基準との相違点としては次の3つが考えられる。第一は、長期請負工事のみに適用されること。第二は、工事施工中のすべての期間に工事収益が計上されること。第三は、途中年度の工事収益は見積によって行われることである。
3)
工事進行基準の理論的根拠としては、次の3つが考えられる。第一は、適正な収益の期間配分が可能になること。第二は、契約時に収益額が確定していること。第三は、長期工事においては工事代金の前受の慣習があることである。
(320字、60字超過)
※文字数は1行=20字で計算しています。

(4)〜(5) 不 要

(6)
言回しを修正して文字数を調節します。
1)
工事進行基準の意義は、決算期末における工事進行程度に応じて、工事収益を当期の損益計算に計上する基準であるといえる。
2)
工事完成基準との相違点の第一は、長期請負工事のみに適用されること。第二は、工事施工中のすべての期間に工事収益が計上されること。第三は、途中年度の工事収益は見積によって行われることである。
3)
工事進行基準の理論的根拠の第一は、適正な収益の期間配分が可能になること。第二は、契約時に収益額が確定していること。第三は、長期工事においては工事代金の前受の慣習があることである。

(7)
誤字・脱字のチェックをしながら清書をします。

 以上が文章問題の解き方のノウハウです。試験本番では頑張って下さい。

建設業経理事務士検定